地震リスクと防災データの見方 — 確率の数字とどう付き合うか
当サイトの安全・防災カテゴリには、防災科学技術研究所(J-SHIS)の地震ハザード評価にもとづく「30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率」を収録しています。市区町村によって差が非常に大きい指標ですが、確率の読み方を誤ると過大にも過小にも受け取ってしまいます。
数字の幅はどれくらいあるか
たとえば高知市は75.8%、東京都新宿区は45.8%、札幌市は2.0%です(いずれも市区町村の代表点での評価)。南海トラフ沿いの太平洋側で高く、北海道や日本海側の一部で低いという地域差がはっきり出ます。
「30年で75%」をどう受け取るか
この確率は「今後30年間のどこかで、その地点が震度6弱以上に見舞われる確率」です。3割なら安心、7割なら危険、という単純な話ではありません。ポイントは2つあります。
- 低い確率は「起きない」を意味しない。2%でも30年内に起こりうるし、確率が低い地域で大地震が起きた例は過去に何度もあります(2016年の熊本、2024年の能登など)。
- 高い確率の地域では「備えの前提」が変わる。建物の耐震性、家具の固定、避難先の確認といった対策の優先度を上げる判断材料になります。
つまりこの数字は「住んではいけない場所を探すための値」ではなく、備えにどれだけコストをかけるかを決めるための値と考えるのが適切です。
あわせて見たい2つの防災データ
指定避難施設の数(人口当たり)は、災害時の受け皿の厚みを示します。土砂災害警戒区域の数は、崖や渓流など地形リスクの多さの目安です。ただし警戒区域の「数」はリスクの強さそのものではなく、山がちな自治体ほど多くなる傾向がある点に注意してください。
最後はハザードマップで「点」の確認を
市区町村単位のデータは、あくまで面としての傾向です。実際の危険度は同じ市内でも場所によってまったく違います。住所レベルの確認には、国土交通省の「重ねるハザードマップ」で洪水・土砂・津波のリスクを直接見るのが確実です。当サイトの各市区町村ページからも、その自治体の位置でハザードマップを開けるリンクを用意しています。
まとめ: 地震確率は「備えの優先度」を決める数字。低くても油断せず、高くても正しく備える。最後は必ずハザードマップで自宅・職場の「点」を確認してください。