東京23区をデータで比べる — 「働く区」と「住む区」の違い
当サイトの総合スコア全国1位は東京都千代田区です。医療・経済・利便性が軒並み高く、データ上は「最強の街」に見えます。しかし千代田区の夜間人口は約6.7万人しかなく、昼間はその十数倍の人が流れ込みます。この記事では、23区を「働く区」と「住む区」に分けて読む方法を紹介します。
昼夜間人口比率 — 23区の性格がいちばん出る数字
昼間人口÷夜間人口の比率を見ると、千代田区は約1,355%(全国トップ級)。昼間は夜の13倍以上の人がいる、日本の中枢オフィス街です。中央区(約374%)、港区(約373%)、渋谷区(約226%)も同様に「働く区」の性格が強い区です。
一方、江戸川区(約82%)や足立区(約89%)は昼間人口の方が少ない「住む区」です。朝に人を送り出し、夜に迎える住宅都市で、暮らしのインフラはこちらの方が生活者向けにできています。
家賃と所得のバランス
住宅・土地統計調査から算出した1畳当たり家賃を見ると、港区は約9,886円、千代田区は約8,322円。対して足立区は約4,316円、江戸川区は約4,603円と、都心3区と周辺区で2倍以上の開きがあります。
一方、納税者1人当たりの課税対象所得は港区が約1,397万円と全国トップ級で、千代田区(約1,121万円)、渋谷区(約1,074万円)が続きます。都心の高家賃は高所得層には吸収可能な水準ですが、平均的な収入の世帯には重い負担です。つまり「スコアが高い区=あなたにとって住みやすい区」とは限らず、家計とのバランスで最適解が変わるのが23区の特徴です。
医療・福祉が都心3区に集中する理由
医療・福祉カテゴリのスコアは千代田・中央・港の都心3区が全国1〜3位を独占しています。大病院やクリニックが集積している上に、夜間人口(=分母)が小さいため、人口当たりの数値が非常に大きく出るからです。周辺区の住民も都心の医療機関を使えるので、実際の医療アクセスの差はスコアの差ほど大きくありません。数字の背景を知っていると、こうした「見かけの差」を割り引いて読めます。
23区での選び方の実際
実務的には、①予算(1畳当たり家賃×必要な広さ)で候補の区を絞る → ②子育て・治安など重視するカテゴリのスコアで比べる → ③2つを比較で最終候補を並べる、という順番が効率的です。データ上の「総合1位」に引っ張られず、自分の生活に効くカテゴリだけを見にいくのが、23区比較のコツです。